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ベリーダンスとベール
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■ベリーダンスとベール


大きなベールをひらひらふわふわとなびかせて、優雅に舞う姿はベリーダンスのメインイメージといっても過言ではありません。
主にターキッシュと呼ばれるオリエンタルスタイルの振付で用いられますが、エジプシャンその他でも幅広く使われる人気の小道具です。

一般的に「ベール」といわれるとこれを指す長方形の物から半円形の物、扇子が付いたファンベールなど、多数のヴァリエーションが存在します。
素材によって持ち味が違うので、選ぶ際に迷うことも多いかもしれません。


シルクベール タイダイ

人気があるのはシルク素材の物。
レッスンで使う場合に先生から指定されるのも、シルクの場合が多いです。
軽く薄く光を透かし、余韻のある美しい動きをします。
しなやかな質感を生かした、ゆったりと優雅な振付に向いています。



グラデーションシフォンベールポリエステルシフォンやオーガンジーのベールもあります。
シフォンはしなやかで発色が良く、独特の透け感が綺麗。
シルクよりも重いので、ターンやスピンが多い振付をシャープに表現できます。
頭上でディスカード(手を離す)する動きでもコントロールしやすくなっています。

オーガンジーは張りのある質感で、ふわりとはしません。
シフォンよりさらにシャープで絡みにくいので、ベールを2枚使うダブルベールに使用されます。
どちらも静電気がおきやすいので、防止策が必要です。

目安としてシルクは\5000〜、ポリエステルは¥1000〜と価格に差があります。
初心者の方で練習用にポリエステルを買って、本番が近づいたらシルクにしたい…という方がいらっしゃいますが、重さがまったく違うため取り扱いに差が出ます。
極端な話、1曲丸ごとベールを持って踊る場合、シルクなら問題がなくてもポリエステルは重くてとても疲れることも……
かなり勝手が違いますので、なるべく本番と同じ素材のベールで練習することをおすすめします。

プリンティングシルクベール

 
  • ・長方形ベール

  • 110cm×260cm前後のサイズの、最も基本的なベール。
  • 長辺を肩にかけて手を斜め下前に伸ばしてベールを指で挟み、さらに指先から20cm〜30cm垂れ下がる程度が最適といわれています。
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    ・半円ベール

  • 110cm×230cm前後、やや小さめの半円形で、ターンをしたときのシルエットがとても綺麗。
  • ダブルベールに使われることが多い形です。
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    ・ファンベール

  • 中東からアメリカへ渡ってベリーダンスがエンターテイメントとしてショーアップされていく中で、数々の小物を使ったバリエーションが生まれていきます。
  • ファンベールもそのひとつで、比較的新しい小道具です。
  • 大振りな扇子に1.5m〜2mほどのシルクベールをつけてたなびかせる、とてもエレガントなアイテムとして人気があります。
  • 扇子の骨は軽い竹や丈夫なプラスチックなど。
  • 美しく扱うのにテクニックが必要なため、ベリーダンスの基礎が身体に染み付いていないとベリーダンスらしさが出しにくくなる上級者向けの小物でもあります。
  • FAN VEIL (ファンベール)

  • ・ポイベール
  • もともとニュージーランドのマオリ族が儀式に用いていた、紐の片側の先に玉がついていて両手にひとつずつ持って回すアイテムが、ジャグリングのバリエーションとして広まったものです。
  • 近年アジア系のベリーダンサーの間でその玉にベールを取り付けて美しく回すスタイルが取り入れられました。
  • ドラマチックで大胆な動きが人気で、広めのステージで存在感を出せる小物として人気です。
  • 小さめのポリエステルベールならシャープに、通常サイズのシルクベールなら優雅に、また片手で1つだけ回すか両手で2つ回すかなど、扱い方によって印象と難易度がだいぶ変わります。

  • ・ミラーヤベール
  • 「ミラーヤ」とはエジプトのアレキサンドリア地方(Eskandarani)で踊られるダンススタイルを取り入れて、レダ国立民族舞踊団の創設者・マフムードレダ氏がショー向けに創作したもの。港町の女性と船乗りの男たちとの恋の駆け引きを連想させる曲を使った踊りとされ、女性の可愛らしさを特に強調した、可憐で軽快で陽気な振付が特徴的です。
  • カラフルなスパンコールやボンボンなどの縁飾りの付いた黒い「ミラーヤレフ(ミラーヤベール)」を使い、ひらひらしたミニワンピースにハイヒールを履いて踊るスタイルは、一般的なベリーダンスのイメージとはかけ離れているように感じるかも知れません。
  • ベールの扱い方も独特で、身体に巻いたり振り回したり、漁網を引く姿を思わせるような動きをしたり…その表現のために、主にポリエステルシフォンの生地が使われます。

  • ・イシスウイング
  • 厳密に言うとベールとは違うと思いますが、大きな布を小道具とするという点で取り上げます。
  • 「イシス」とはエジプト神話に出てくる女神の名前。
  • エジプトの壁画に描かれる神々の翼をイメージしたような、半径2m以上にもなるプリーツのある布を使ったアイテムです。
  • 先端に付いた棒を手に持ち、円の中心部分を首元で留めて使います。
  • とにかくインパクトがあり、派手でオリエンタルなムードに溢れているので、大きなショーでよく用いられます。
  • 細かい動きはせず、荘厳な音楽などと組み合わせて雰囲気作りに役立ちます。




ベールはベリーダンサーにとって欠かせないパートナーといえます。
自分に最適なサイズ、扱いやすい素材を知って、ベールを身体の一部のように扱えるようになりたいですね!