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ビンディーとヘナタトゥー

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■ビンディー

ビンディーはインドでおなじみの額に施す装飾で、語源はサンスクリット語で「点」を意味する「ビンドゥ」とされています。
原則として既婚で、なおかつ夫が存命中のヒンドゥー教徒の女性がつけるものですが、近年ではメイクの一種としてファッション感覚で愛されています。
エスニックスタイル（通称：BOHOスタイル）とも相性がいいので、各種パーティーからカジュアルまで気軽にエキゾチックな雰囲気を楽しみたい女性たちに大人気です。

インド人男性が額に飾りをつけているのはビンディとは別に「ティカ」「ティラカ」と呼ばれ、宗教的な意味合いが強くなります。
ヒンドゥー教やジャイナ教の神に祈りをささげる際、お米や人工塗料などで作る色粉を神様の額に塗りってお祈りをする人の額にも塗ります。
崇める神によって色や形が違い、ただ指で擦り付けるだけのものから綺麗な模様になったものまで様々なタイプがあります。

2018年に爆発的人気を博したインド映画「バーフバリ」では、登場人物がそれぞれ役割や性格・信仰を示すティラカをつけ、小物表現のひとつとして効果を発揮していました。

シール状になって販売されているビンディーはお手ごろ価格で可愛らしいデザインのものがたくさんあります。
額の中心にポンと置くのが定番ですが、眉毛に沿って模様のように置いたり、目の下に置いたり、自由にアレンジして構いません。
顔に貼るのに抵抗がある方には、耳たぶに貼ってピアスのように見せるのもおすすめ。
また小さいものはネイルアートに使ったり、ミニシールとして手帳やスマホのデコレーションにしても洒落ていますね。

　

顔周りだけではなく、おへそ周りなどを丸く囲むように飾れるベリービンディーや髪に貼り付けるヘアビンディーなどもあります。

さりげなくアジアンスタイルを楽しめる小物として、チャレンジしやすいアイテムです。

■ヘナタトゥー

インドでは女性が手足に茶色いタトゥーを入れているのを見かけます。

細かく精緻な柄はとても美しく、アクセサリーなどとコーディネートして親しまれているようです。

これは「ヘナタトゥー」または「メヘンディ」と呼ばれるもので、一般的なタトゥーや入れ墨とは別物になります。
タトゥーというと、針で皮膚を傷つけ、その傷に墨汁・朱・酸化鉄などの色素を入れ着色し、絵柄などを描く手法が知られていますが、ヘナタトゥーは肌の表皮を一時的に染色する手法なので、肌を傷つけることなく、痛みもありません。

ヘナはミソハギ科に属する種類の常緑低木で、植物の名称です。
インドでは広く自生し、ラジャスタン地方などで特産品とされています。
幸運の女神・ラクシュミが最も愛したとされる植物とされ、そのため結婚式やお祝い事には欠かせない装飾です。

ヘナの葉を粉末にし、水分を足して練ったものがヘナペーストです。
ペーストを細く絞りだせるチューブ等に入れて肌の上に描いていき、30分ほど乾かすとペーストはポロポロと剥がれ落ちて皮膚に染まった部分が残ります。
もっと手軽に、スタンプを使ってペーストを乗せる場合もあります。

もし描いている途中に失敗しても、すぐに水で洗い流すかウェットティッシュなどでしっかり拭き取れば大丈夫。

タトゥーは一生消えませんが、ヘナタトゥーは約2週間～約3週間ほどで消えます(個人差あり)。
その他、タトゥーが色彩バラエティー豊富なのに対してヘナタトゥーはオレンジや茶色、赤茶色等に染まります。

基本的にヘナタトゥーやメヘンディは幸福を呼ぶもの、幸福の象徴と考えられる縁起の良いものなので、図案にそれぞれ意味合いを持たせて施されることが多いようです。
様々なデザインが紹介されたデザイン本なども多数ありますので、参考にするといいですね。

・蓮
蓮の花や茎、葉を華やかにアレンジした人気のモチーフ。
創造性、優美、官能性、美しさ、女性らしさ、純潔、毅然、魂の覚醒

・蕾
他の花モチーフとセットでデザインされることも多い蕾。
メインモチーフを引き立てる効果のほかに、花嫁や出産間近の女性に好まれる。
新しい命の始まり、多産、喜び

・孔雀
緻密で美しく優美な孔雀モチーフ。
他の鳥のモチーフと並んで自由や天上と地上の間の伝達者を象徴するとされている。
愛の象徴、富の象徴、美

・曼荼羅
ヒンドゥーや仏教で宇宙を表しているとされる曼荼羅。
複雑に描きこまれたサークル型の視覚的なデザインが人気のポイント。
宇宙、永遠

・太陽
絶対的パワーの源と捉えられる強いイメージを持つ。
復活、再生、永遠の愛、知識

・月
特に三日月は新しい生命が宿る事も象徴している
恋人との愛の継続や変革の肯定的な力、保護、健康

ただしインドはとても広大な国で、様々な文化や民族・言語が複雑に混ざり合って形成されている土地です。
同じモチーフでも人や地域によって意味が異なることがあります。

ひとつの柄に明確なひとつの意味がある、というわけではなく、イメージや願望などの想いをこめた図案を身体に描く行為そのものを大切にすることが、ヘナタトゥーの本来の意味かもしれません。
気に入った模様、好きな柄で肌を彩り、ウキウキした気持ちでヘナタトゥーを楽しんでみてください！