【バンジャラ族】
ベリーダンスのATSなどのスタイルで使われる民族衣装でも
有名なバンジャラ族。(バンジャーラ族ともいいます。)
今日はそのバンジャラ族のお話をさせていただきたいと思います。
彼らの故郷はインド南部。ゴアからバスを3回乗り継いで20時間ほどの場所、
カルナータカ州の田舎の奥地に彼らの町があります。
そこではほとんどの女性が今でもなお、ミラーワークの衣装を身にまとい、
40度もの暑さを紛らわすかのように強い日差しを反射してきらきらと輝いています。
彼女達が身につける迫力のあるアクセサリーは重々しく、
それはまるで何かの武器のようでもあり、生命の力がみなぎっています。
コインや貝が付けてあるとさらに濃厚な存在感。
独特のスタイルで作られたバンジャラ民族衣装。
その背景には彼らは決してお金持ちではないという事があります。
ミラーワークはお金がないけど豪華に見せたいという意味合いもあるといいます。
売るためのものでない、自分を飾るものとして
それゆえに手間を惜しまず、精魂込めて作っていました。
今となっては時代は変わり、民族もたくましく変わっていかなくてはならなかったのです。
彼らは職人から商人へ変わるという選択を余儀なくされました。
つまり、物を作って売る「生産者」から、物を右から左に売る「販売者」に代わったのです。
ということはもう今現在、民族衣装や民族アクセサリーは作られていないということです。
バンジャラ族はとても貧乏だったので、お金のために民族衣装を売らなければなりませんでした。
民族衣装はバンジャラ族からインドの富豪バイヤーへ
そして海外から来たバイヤーによってインド外部へと持ち去られました。
このように世界中に散らばった彼らの民族衣装は希少性を持ち、アンティークとして
高値がつくようになりました。それにみんなが気づいたのはやっとここ10年くらいです。
バンジャラ族もそれに気が付き良いものを作ろうとするのですが、インドの平均寿命は60歳ほど。
50年前から作られることが止まった民族衣装を伝承する人はもういないのです。
残念なことに、50年前のクオリティーは現時点では再現不可能といわれています。
もうマーケットに存在しないと思ったハイレベルなバンジャラ族の民族衣装ですが、
コネクションをたどって価値が上がると踏んでお蔵入りさせていたバイヤーの
コレクション買い付けることができました。
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